患者と医者の助け合い「常に真剣な姿勢で診察に望むのはもちろん当たり前。だけどね・・・。患者さんにも、もっと真剣に治療に取り組んで欲しい気持ちもある。説明をきちんと聞いて、自分のことを理解して治療に望んでくれれば」診察時に見せる、写真入の医療の本。それは開院から約30年間、共に治療に望んできた「戦友」。やぶれても、やぶれても。何度もセロハンテープで修復を重ね、大切にされ続けてきたであろうその姿は院長の優しい人柄、そして患者に対しての熱心な姿勢を物語っているように見える。
大切なのは医者の技術だけではない、患者の意識も完治への大切な一歩。大田さんは、そう考えているようだ。
「スポーツで例えると、患者さんはスポーツ選手、僕たち医者は応援団なんだ。病やケガと闘うなは患者さん自身。僕たち医者はそのお手伝いをしているんだ。お互いの協力で治療に当たることが大切なんだと思う」
スポーツが好きで、自衛隊の診察も受け持っている。なにかと多忙な毎日のようだが、その生活を楽しんでいるようにも見える。
お互いの顔を見て「パソコンの画面ばかり見て患者さんの顔を見ない、ただ治療だけをこなし患者さんの気持ちをわかろうとしない、そんな医者にはなりたくない。何が正しいかなんて僕には言えないけど、きちんと患者さんと向き合うことの大切さを忘れちゃいけない。そう思うんだ」
心で接する。大切に診療を行ってきた。患者さんと正面から向き合う毎日にその心はやつれ、プライベートでは独りになりたがった時期もあったという。
「あの時は若いっていうのもあって、仕事に根をつめすぎたのかな。休みの日は釣りをしていたよ。誰とも話したくなかったから(笑)そういう頃もあったな。診察に来てくれる患者さんひとりひとりと正面から接するというのは、僕の大好きなこと。だけど、それは簡単ではないからね。責任もある。相当悩んだ。葛藤もあった。でも、それを大切にして今日までやってこられたのは他ならぬ患者さんのおかげ。心から感謝しています。助け合ってここまできたんだ」
笑顔と誇りと大田整形外科の2階は「ディサービス夢ぬ間という老人介護施設になっていて、1階待合室はご近所さんのお喋りの場状態になることも。スタッフと患者さん、皆一緒にテレビを見たり世間話をしたりと、とても微笑ましく、暖かな空間。その光景はまるで1つの家族のよう。
「賑やかなのがすきだからさ。こういうのは嬉しいよ」
30年この院で診察を続けてきて、院を、院に関わる人生全てを愛している。そんな印象を受ける。
「医療は、この仕事は僕の生きがい。楽しいよ。これからも楽しくやって行きたい」
最後にそう話してくれた院長の爽やかな笑顔は、今でも忘れることができない。ただの笑顔ではない。様々な葛藤や思いと闘い、なんとか乗り越え、そして生まれた笑顔だから。
仕事への愛と誇り。大田整形外科ではこの2つを持ったカッコイイ院長が、今日も愛すべき患者と奮闘していることだろう。何度も磨き上げた、年季の入った誇りと共に。